ピラティスはこれをしないと効果が出ない!?
ピラティスの効果を引き出すために、大切な理論が8つあります。
この記事ではピラティスをマスターするための8つの法則について、ジョセフ・ピラティスさんの言葉とともにご紹介します。
難しく思われる方もおられるかとは思いますが、すべて私たちが日常何気なく行っている動作のことです。
日常でスムーズに動ける、バランスの取れたメリハリのあるからだづくりのために、ピラティスの8つの法則を知って理解していきましょう。
呼吸
「呼吸は生きるための最初の行いです。私たちの生命は呼吸することで成り立っています。それにもかかわらず、多くの人々は正しい呼吸をマスターしてきませんでした。」
「つまり、何よりも、正しく呼吸することを学びなさい。」
―ジョセフ・ピラティス
「正しく呼吸を行うためには息を完全に吐き出し、そして完全に吸い込まなければなりません。濡れた布の最後の一滴まで絞り出す時のように、常に肺の中から汚れた空気の全ての分子までも吐き出すようにしなければなりません。」
―ジョセフ・ピラティス
エクササイズ中に呼吸への意識を忘れることで筋肉への効果が失われ、バランスの取れたメリハリのあるからだ作りの実現が難しくなります。
エクササイズ中に正しい呼吸を行うことでエクササイズの効果を向上させ、比較的強度の高いエクササイズの手助けともなります。
ピラティスの呼吸は胸式呼吸です。
この呼吸法のポイントは、鼻から吸う時おなかが膨らまないように意識することです。吸うときは肋骨を横に広げるように空気を取り入れ、吐くときは更におなかは薄く、肋骨も閉じるように意識して吐き切ります。
この呼吸法には以下のような効果があります。
胸式呼吸がもたらす効果
- 肺の奥底から古くなった空気を排出する。
- 新鮮な空気でからだを満たし、からだの組織を活性化させる。
- 集中力を高め、メンタルのバランスを安定させる。
- 深い呼吸でコアのインナーマッスルを起動させる。
- ゆっくり息を吐くことで、コアの腹横筋と骨盤底筋群の活動を促し、内臓を活性化させる。
- 代謝を上げる。
- ピラティスの呼吸法は、鼻からたっぷり吸って、口から細くゆっくり吐く胸式呼吸。
- エクササイズ中にピラティスの呼吸法を意識的に行うことで、エクササイズへの集中力を高め、その結果エクササイズの効果も高まる。
エクササイズ中はもちろんですが、この呼吸法は日常の中で取り入れることもできます。
日常生活では知らず知らずのうちにストレスがかかり、呼吸が浅くなってしまっていることがあります。
それに気づいた時はピラティスの呼吸で大きく深呼吸をしてみましょう。肺いっぱいに新鮮な空気が入り、脳や細胞が活性化されリフレッシュ効果を得られます。また、息を吐き切ることを意識して呼吸するだけで代謝を上げて、インナーマッスルを刺激することができます。呼吸だけで深層筋にアプローチすることができるのです。
集中(コンセントレーション)
「今行っているエクササイズの目的に意識を集中させなさい。」
「心と体は対等であり、どちらかひとつが優位ではない。」
―ジョセフ・ピラティス
ピラティスエクササイズは、集中して行わなければ効果が得られません。
身体や筋肉は、集中して意識を向けることでその部分が作用する働きがあります。エクササイズ中は、どこに効いているか、どこに効かせたいかをしっかりイメージして行います。
- 集中とは、それぞれのエクササイズを行う際、からだを準備させるために必要な精神集中のこと。
- ピラティス氏の提唱するエクササイズは、「量より質」である。
ピラティスの考え方ではながらエクササイズはNGということなんです。厳しいですね。ただそれだけ効率重視のエクササイズと言えます。
コントロール(コントロロジー)
「全ての体のメカニズムが正しくコントロールされて初めて正しい姿勢が得られるのです。」
―ジョセフ・ピラティス
ピラティスのエクササイズの考案者であるジョセフ・ピラティスさんは、ピラティスエクササイズのことを「コントロロジー」と名付けています。
身体を完全にコントロールするための精神の習得を可能とするのがこの「コントロロジー」であると著述しています。
- 自分の身体をコントロールして動かすことを意識し、エクササイズを行う。
- 間違った方法は、筋肉や関節に間違った負担がかかり、ケガの原因にもなる。
「身体をコントロール」と聞くと、ピンとこないかもしれませんが、例えば自分で思っている動きと実際出来ている動きに差があることってありませんか?
思ったより脚が上がっていなかったり、歩き方に癖があったり。他人からの指摘や動画、鏡を見て始めて気がつくことも多い自分の動き。この想像と現実の誤差を少なくすることが「身体をコントロール」することと私は解釈しています。
中心(センタリング)
「コントロロジーは身体をバランスよく作り上げ、悪い姿勢を正し、身体的活力を回復させ、精神的に活力を与え、そして元気づけていくものである。」
―ジョセフ・ピラティス
ピラティスのエクササイズをする際は、肉体を強く機能的に働かせることが大切です。
重心の中心軸から末端に向けて放射状に動きをつけてゆくことで安定感を得ることが出来、筋肉が相互作用をもたらすことで、機能的で強靭な動作を作ることが出来ます。
その結果、ケガを負うリスクを減らしたり、回避したりすることが可能となります。
- 身体の中心への感覚を養うことで身体の軸を作る。
- 怪我のリスクを軽減させる。
- バランスや回転など身体パフォーマンスを向上させる。
ピラティスのエクササイズでは、コアの意識をし続けながら、手足を長く伸ばして動かす動きがあります。
日常で私たちは手足を使って様々な動作をしますが、その時決して手足だけを使っているわけではなく、指令を受けて体幹から筋肉を使って手足を動かしているのです。
中心がしっかりしていると日常の動作や立ち振る舞いが美しくなります。
全身での動作
「この結果全ての筋肉が適切に発達した時に当然のこととして最小限の労力、最高の楽しみをもって行動することができるようになるのです。」
―ジョセフ・ピラティス
ピラティスのエクササイズでは、身体全体を常に使っていることを強調しているといった点で他のエクササイズと異なっています。
全ての筋肉が発達していくために個々の筋肉が互いに補助していることから、どの筋肉も疎かにすべきでないというのがポイントです。
例えば、トレーニングマシンで鍛える場合にアプローチできるのは一部の部位だけで、鍛えたい部位ごとにマシンが必要になります。
それに比べピラティスでは、全身運動で身体全体にアプローチしていきます。ピラティスさんも言っているように、全身の筋肉は繋がっているので、バランスよく整えていくことが一番の近道だと言えます。
- ピラティスのエクササイズは筋肉の相互作用に注目。
- 全身運動でエクササイズすることで効率的にバランス良く発達させる。
ピラティスのエクササイズを習慣にして行うことで、可動域が広がっていったり、自分の身体の変化に気づきやすくなります。これが楽しいところです♪
正確さ
「インストラクション通り正確にエクササイズを行うことによってのみ、コントロロジーの効果が得られるのです。」
―ジョセフ・ピラティス
エクササイズからの効果を得るためには、すべてのピラティスエクササイズにおいて正確な動作で行うことがとても重要です。
詳細な部分の全てに注意しながら、それぞれの動作に集中して練習していくことによって効果を得ることができます。
- ピラティスのエクササイズはこなせる回数よりも正確に出来る回数が大事。
- 正確な動きが難しければ、負担の軽いやり方から始めること。
- 自己流では効率的でなく結果が得られず、ケガのもとになる。
ピラティスのエクササイズを行うにあたって、まずは客観的に動きを見て指導してもらえるパーソナルレッスンなどの環境をおすすめしたい理由はここにあります。
エクササイズ中に細かいところまで意識し続けることは中々に難しいですし、自分の動きを客観的にみられる環境を整えるのも大変です。せっかく取り組むのであれば、正確に安全に効率的に無駄なく行える環境を整えることをおすすめします。
コア・コネクション
ピラティスのエクササイズでは、常におなかの力を抜かず動くことを意識し続けます。おなかの力を意識し、コアを作動させることを「コアを起動させる」といいます。
コアを意識し続けることは、呼吸と連動しています。呼吸がおろそかになることはコアがおろそかになること。コアの力が抜けてしまうと呼吸も正しく行えていないということになります。
また、ピラティスのエクササイズはコアをしっかり起動させていないと腰に負担がかかるものもあり、エクササイズの効果を得られなくなってしまいます。
「コアを起動させる」という感覚がつかめれば、日常でも行えます。そうなると常に腹筋に刺激が加わり、座っているだけでも筋トレのような効果が得られます。
- コアを起動させずにからだを動かすことはルール違反
- コアの起動とピラティスの呼吸は切り離せず、正しい呼吸はコアの起動に必要不可欠。
リズム
「通常、筋肉というものは動物の筋肉と同じように機能していなければならない。ネコやその他の動物はこの理想的な動きのリズムを持っている。と言うのも、これらの動物は常にストレッチし、リラックスしているからである。」
―ジョセフ・ピラティス
ピラティスのエクササイズでは、本来生物として備わっている「スムーズで流れるような動き」を行えるようにするために、バランスやストレッチ、そしえ過度の筋肉の緊張を解くことを重視しています。
- 筋力バランスが調整され、関節の動きがよくなる。
- 筋肉を連動させて動かすことで本来のパフォーマンスを引き出すことが出来る。
ピラティスさんが言っているように、ネコの身体能力ってすごいですよね。助走なしで高く跳んだり、逆に高いところから跳び下りてもしっかり着地姿勢が取れたり。あの身体パフォーマンスが実現できているのは、常にストレッチしているから、というわけです。
ピラティスのエクササイズで、人間も日々のアンバランスな筋肉の緊張を解き、スムーズな動きを目指していきます。
ピラティスのエクササイズは、身体の限界値を知って、底上げしていくエクササイズだと言えます。
まとめ
今回はピラティスのエクササイズで効果を引き出すために必要な8つの法則をご紹介しました。
普段のエクササイズで思うように効果が得られなかった人、普段のエクササイズにプラスワンしたい人、これからエクササイズを始めてみようという人は是非この「8つの法則」を取り入れてみてください。
効果を最大限に引き出すためにも、個人レッスンを受けてみるのもおすすめです。
バランスの取れたメリハリのあるからだを目指して、少しだけこの8つの法則を意識したエクササイズをしてみてください。